2008年3月1日土曜日

水嶋 ヒロ

くるぶしに秘密の鎖 くちびるに銀の弾丸2

まさか続編が出るとは思ってもいなかった「くちびるに銀の弾丸」の第二段。本当のところ前作はいまひとつ好きではありませんでした…なんていうか微妙に(笑しかし、これを読んでその気持ちが一変したのは言うまでもありません。傍若無人でろくでなし澤村の変貌振りが私にとって非常に好感触で、作品の好感度UPとなりました。ぶつかり合いながらも恋も仕事も妥協せず、お互いを求め合い、高めあって。良い付き合いをしているんだな、こんな恋愛してみたかったな…とそう思わせる二人の関係がとても好きです。不器用な水嶋だけれども、澤村の傍にいるからこそ自由に羽ばたける、これからもそんな二人でいて欲しい……。

仕事のできるとても多忙な二人で、攻めは女好きのオレ様の人でなし。だったはずなのですが、、続編では、もうそれはそれは恋愛に対して極端に繊細で臆病な受け(水嶋)を大事に大事にしています。大人の愛はこんな風に深まっていくのでしょうか。前巻ともにお話は常に攻め(澤村)目線で進んでいくのですが、おまけ漫画は水嶋目線で、水嶋の愛に繊細で臆病なところ、本編ではあまり見られない水嶋の澤村へのメロメロ振りがよくわかり、ジーンと切なくなりました。祭河ななをさんの澤村がとってもかっこいいです。ぜひ続編を、祭河ななをさんのおまけ漫画つきで見たいです。

あまりに間が開いたため、続編は出ないのだろうと思っていたのですが、出ました。きっと読者さんの評判が良かったのでしょう。私も前作がすごーく好きでした。未だに本棚のトップ(一番イイ場所)にあります。今作ですが、内容は約1年後。二人のその後の展開です。彼らの仕事のゲームも第二弾に向け動き始めます。前作ヒドイ男だった澤村ですが、今回は水嶋の「昔の男」が現れて大変な嫉妬に苦しめられます。「昔の男」がイイ奴なところが更に悔しいって感じですね。今回は前作以上に、水嶋のもろいところが前面に出て、澤村も冷静な振りして切れて…、二人の絆が深まる一冊でした。

秀香穂里さんのキャラ文庫第1作目「くちびるに銀の弾丸」の続編です。俺様なやり手広報澤村(29)と業界トップと評されるゲームクリエーター水嶋(32)が主人公。表題作は前作で恋人同士になった二人が一年たって忙しい中も順調に関係を深めて(というより澤村が水嶋に溺れきって)いたものの、水嶋の元彼が現れて澤村の嫉妬をかきたてて、という王道ストーリー。でも感情の変化や、できる男たちの仕事ぶりが見事に書かれていてかっこいい、と素直に思います。仕事の忙しさからすれ違うわ、口下手で不器用な水嶋の態度に心が見えなくなってあがく澤村が可哀想なんだけど、前作から”ここまで変わるか”というまでの感情の暴走っぷりに拍手でした。水嶋の才能と、アンバランスな性格にはまり込んだひとでなし澤村がとことん水嶋にほれているのがよくわかります。そして、水嶋の純粋さも。表題作と、書き下ろしの「くびすじに未来の約束」と番外編まんがの「こめかみに甘い引き金」もお勧め。特にまんがは水嶋視点で新鮮です。

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