2008年2月22日金曜日

毎日 エロ 新聞

毎日新聞社会部

 1945年の終戦時から今日までの毎日新聞社会部のドラマである。著者は1961年入社だからそれ以前のドラマは知らない。同社会部の人々が書き残した文章を主に辿って記した。また、著者は1992年に定年退職したそうだから、これまたその後は資料と接触しえた人々との体験で書いた。 著者は、社会部長の席にあった1986年11月20日に脳溢血で倒れ、意識不明3ヶ月、入院10ケ月、退院しても高度の障害を持つ者となった。それでいてこの358頁のドキュメントである。その記者魂というか、ペンを使う者としての心意気に敬服する。 圧巻は10章と11章である。1976年3月4日夕刊で児玉誉士夫の臨床尋問を、7月27日朝刊で元首相田中角栄逮捕をスクープし、毎日新聞ここにありを示した。しかしその同じ時期に毎日新聞社は、経営危機に陥っていた。その毎日新聞社の起死回生の顛末を綴ったのが11章だ。スクープには当事者として、経営危機には準当事者として関わりながら、両者においていかに人々と毎日新聞がジャーナリズムを守り、発揮したかを描いている。 本書は、日本の戦後ジャーナリズムを社会部中心に書いたものといえよう。「不正を憎み、これをあばくのはジャーナリストの原点である」とは著者の言(P261)であるが、その原点を実直に守ろうと努力した人々が毎日新聞社会部をつくり、継承していると本書を読んで納得させられた。 著者は、児童文学の作家志望であったそうな。毎日新聞に入ってしばらくは、その夢を胸に働いていたが、いまようやく重度障害者の身ながら児童文学の筆も取って発表もしているそうだ。ご努力を祈念する。

エロ 新聞 毎日 毎日 エロ 新聞