2008年3月5日水曜日

終身 保険

新版 これで安心あなたの生保

 この本の著者は、大手生命保険会社の販売する定期付終身保険を「諸悪の根源」とまでいっているが、この本もそれに負けず劣らない害悪を撒き散らしている。 定期付終身保険のデメリットの説明については、まあ納得できる。しかし、それに変わる著者の提案はいただけない。 一例を挙げれば、20代のうちに1000万円からの終身保険に入れと言っている。これは資産運用の基礎を知らない者の暴言である。今現在日本は史上まれに見る超低金利時代であり、そんな状況で月々1万5千円を超える長期の固定金利商品に入れというのは著者が資産運用の基礎中の基礎を知らないというよき証左である。 またこの時期は結婚をし、自動車を買い、場合によっては住宅を取得する時期であり、むしろ保険以上にそれらの資金について検討しなければならないが、そこには一切触れていない。月々1万5千円以上も保険に払った上で、それらの資金の貯金を普通の20代がどうしてできるのか?もしや著者は10年やそこらでは元本割れする終身保険で積み立てろとでも言う気なのか?それでは結局保険会社だけが得をするではないか。 この本を読んで私は、保険外交員の言うこと疑うと同時に、保険評論家なる人の意見も疑ってかかれということを教訓として得た。

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