本書のポイントは冒頭に出てくる「本書の構成」というフローチャートに良く表現されている。全体で6章に分かれているが、パソコンやインターネットについてある程度の知識があって動画配信の特徴をつかみたい人は、第一章の動画配信の基本的なしくみで十分だろう。 以下、知識のレベルに応じて、動画配信のための機材やネットワークのしくみ、サーバ構築などにさかのぼって平易な解説をしている。さらに動画配信に関わる法的な課題や、ビジネスとしての動画配信の可能性などについても触れている。また複数の動画配信ツールの解説や付録で手順の詳解を行っているのはかなり良心的である。 以上のように全般的に目配りが聞いているし、文書は見出し単位に見開き、もしくは4ページぐらいで図を交えて説明されているので初心者でも理解しやすいと思われる。 ちょっと気になるのは「ツールの中身について説明してくれるのは良いけど、ツールの改版には対応しているのだろうか」と言う点だが、これは大きなお世話かもしれない。
ブロードバンド時代の到来により、最も注目の技術としてインターネット上での動画配信技術であるストリーミングがある。このストリーミング技術を無駄なく丁寧に解説している1冊の良書です。個人のホームページ上からも動画を配信することが、お金をかけずに可能であることなどがわかります。また、第二章の「動画を配信するために必要な知識と技術」は、ストリーミング技術を初めて学ぶ人には、大変参考になります。付録には動画配信に使う無料ソフトの操作手順がまとめられており、役に立ちます。ストリーミング技術を学ぶ第一歩として、本書は格好の教科書といえます。