本書は経営をサービスの視点から提案するコンサルタントをしておられる著者が、文明開化を目指す日本が建築した鹿鳴館に来られる国賓級のVIPたちをもてなすために造られた伝統ある帝国ホテルのサービスをもとに、見せ掛けや見栄ではない本当のサービスとはどういうものか、具体的例を上げ、根底にある考え方について考察するものである。本書で紹介されている帝国ホテルで実際に行われているサービスは、誰でも出来る些細な心配りを誰でもが出来ない芸の領域に昇華しながら、押し付けがましくなく、ましてや個人の見栄をひけらかすものでもない。気品に満ち、単純にすごいと思える。しかし、著者の講釈はお世辞にもウィットに富むとは言い難く、例え話を交えた考察は必要以上に長く感じられた。結果として帝国ホテル濃度は薄い。また、帝国ホテルへの激励として自分が体験して行き届いていない点について指摘されているが、わざわざ貴重な誌面を割いて大衆に披露することでも無いように思えるのだが。加えて誤字・脱字が目立つ。どうも著者は奥ゆかしさや読者をもてなす心は学ばれていないようだ。